キャンピングカーが人気 20年売上高過去最高
キャンピングカーが人気 20年売上高過去最高
キャンピングカーの人気が高まっている。
業界団体によると、2020年の売り上げ高は過去最高の582億円に上った。
新型コロナウイルス渦の中、蜜を避けながらレジャーを楽しめる点から注目され、リモートワークや災害時のの移動手段など活用の幅も広がる。
普及を支援しようと国会議員も立ち上がった。
「安心できる空間で旅を楽しみたい人が増えている」キャンピングカーの製造・販売など約130社が加盟する日本RV協会の藤井昭文広報部長はこう話した。
20年の売上高は前年比で1割増え、この10年では約2.7倍に拡大した。
東日本大震災以降、有事の避難場所として検討する人も多いという。
去年11月に購入した熊本市の男性(45)は「人との接触を避けつつ、休憩しながらキャンプや旅行を楽しむことが出来る」と魅力を語った。
キャンピングカー製造・販売で国内大手のナッツの荒木社長は、「需要が急激に高まり生産能力の拡大が課題だ」と話す。
注文から納車までの期間はコロナ渦前には約1年だったが、現在は半年程度長くかかる。
特に人気なのが、ツインベッドや家庭用エアコンなども備えた1700万円前後の「高級車」だ。
コロナ下で広がったリモートワークに着目した取り組みも進む。
穴吹興産(高知市)などは5、6月、市内の駐車場に止めて2時間千円で貸し出す実証実験を行った。
利用した企業からは、「平日は会議室として使い、休日は社員に貸し出したい」などど好評だったといい、事業化を検討している。
休暇を楽しみながら働くワーケーションを通じて移住者を呼び込もうと、長崎県佐世保市は6月にキャンピングカーの関係業者と提携した。
同市や佐賀県の一部自治体を巡るモデルコースを設定し、滞在施設などを紹介するガイドマップを作成する計画だ。
山形県鶴岡市の結婚式場「グランドエル・サン」は新婚旅行に使ってもらうため、式を予約したカップルのうち抽選で毎月1組に無料で貸し出すキャンペーンを開始した。
自民党国会議員は6月に「キャンピングカーとくるま旅の普及を実現する議員連盟」を設立した。
古屋佳司会長は議員総会で「キャンピングカーを利用した旅は地方における経済効果が期待できる」と強調した。
一方、利用できる駐車場などの施設の充実が課題で、整備を後押しする方針だ。