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キャンピングカー、売り上げ好調 新型コロナ追い風

更新日 : 2020.07.01

新型コロナウイルス感染症拡大がキャンピングカー購入の追い風になっている。以前から関心を持ちながら購入を迷っていた顧客が、接触を減らして外出が楽しめるキャンピングカーに再注目。ホテルの予約や電車の時間を気にせず自由に行動できるのが魅力で、キャンピングカーの売り上げは右肩上がりだ。

6月上旬の週末、キャンピングカー専門店を展開するアールブイランド(常総市大塚戸町、阿部和英社長)の展示場を家族で訪れた会社員、川田耕三さん(39)は今年3月、新型コロナの影響で外出に制限がかかる中、「子どもたちと楽しめたら」とキャンピングカータイプのハイエースを買うことを決意した。

妻の加代さん(38)は「富士山にも行きたい」と夢は膨らむ。息子の優心君(10)も元気よく「釣りに行きたい」と答え、娘の心美さん(7)は「星が好きだから星を見に行ければ」とうれしそうに話した。

栃木県小山市の自営業、新井育雄さん(66)夫婦はキャンピングカーの購入を1年前から考えていたが同感染症によって新しい生活様式が求められる中、3密を回避しながら旅行を楽しむために購入を決めた。「夏は北海道へ行きたい。孫とも出掛けられたら」と新井さん。近年、子育てを終えた夫婦が時間を気にせず2人で旅行したいとキャンピングカーを購入するケースも目立つ。

阿部社長によると、感染拡大で4月13日~5月10日の28日間、臨時休業した。5月の受注数は前年同月比10%減。緊急事態宣言の解除に合わせて営業を再開すると「今までの2割増しのイメージ。(同感染症が)迷われていた方が買うきっかけの一つになった」(阿部社長)と販売は一転して好調に。6月中旬の受注数は既に同10~15%増となり、月末には同30%増を見込む。キャンピングカーのレンタル予約も好調で、お盆期間の予約は全て埋まっているという。

日本RV協会によると、2014年のキャンピングカーの国別保有台数は米国が約950万台、欧州約550万台に対し、日本は約8万5千台にとどまり、「米国などと比べて日本はまだまだ保有台数が少ない」(阿部社長)。同協会がまとめた「キャンピングカー白書2018」による最新の数字では18年の国内保有台数は11万台を超え、05年(5万台)と比べると2倍以上に増えた。

災害時には大勢で利用する避難場所より、人目を気にせずくつろげる空間を持ちたいとキャンピングカーに需要が集まり、「東日本大震災後は3割販売台数が伸びた」(阿部社長)という。

感染拡大で時間や場所にとらわれないテレワークが多くの企業で導入され、キャンピングカーのビジネスシーンでの需要も増えてきた。喫茶店や相手の会社に出向く代わりに、キャンピングカーを動く商談ルームとして利用。病院の医師が診療室として使いたいという声もあった。車内をビジネスホテル風にし、社員が出張時に使う「動くホテル」としての利用もあるという。

阿部社長は「米国ではキャンピングカーでの旅の途中、パソコンを使って仕事するのは普通のこと」と強調。同感染症をきっかけに日本でもテレワークは今後増加し、キャンピングカー需要も増えていくだろうと断言する。
引用:茨城新聞社

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