キャン・ステーション サイトロゴ

MENU

news新着情報

愛犬家夫婦が「キャンピングカー旅」を推す理由

更新日 : 2021.11.12

大切なのは、“いつか”ではなく「今」

大切なのは、“いつか”ではなく「今」

「最初の頃は飛行機を使う国内旅行にも一緒に連れていきました。でも、やはりチェックインのときから心配になってしまって……。ケージを預けただけでギャン泣きでしたし、雷でさえ怯えて吠えるのに、飛行機のエンジン音が轟く中にいるのは、かなりのストレスだろうと思って」と義人さん。

以降、車を使っての移動が多くなったのは自然の流れだった。

そして決定的だったのは、一昨年にレンくんが病気になってしまったことだと美樹さんは言う。
「蛋白漏出性腸症という難病になってしまったんです。いつかはキャンピングカーでのんびり旅をしたいねと言っていたんですけれど、レンが若いうちに、私たちの体が動くうちに、レンといろんな場所へ行ってたくさん遊ぼうと。そうなるとリタイア後ではなく、今だよねとふたりで話しました」。

鈴木さんはもともと公私で海に行くことが多く、ビーチサイドにテントを設営し、泊まりながらサーフィンを楽しむサーフキャンプも何度となく経験してきた。

一方の美樹さんは元プロスノーボーダー。ふたりともアウトドアで過ごす気持ち良さやキャンプの楽しさをよく知っていて、キャンピングカーに関しても、知人のサーファーやスノーボーダーたちが愛用していたことから身近な存在だった。
そんなふたりが「やがて来る“いつか”ではなく、今だ」と決心し、足を運んだのはキャンピングカーの製造販売を行う「ナッツ」の埼玉店。目にとまったのはロングセラーの「クレソンボヤージュ エボライト Type X」だった。
車内に入ると、ゆったりとしたスペースには、ダイネットやベッド、キッチン、冷蔵庫、家庭用エアコンなどが装備。日本の各所を気ままにトラベルする旅模様がイメージできた。

これさえあればレンくんに移動の負担を強いることなく、みんなで旅行を楽しめる。
そう思い、さらなる快適化のためトイレとシャワーのかわりに大きなダブルベッドを備えた仕様を選び、屋根にソーラーパネルを備えた。しかも、エボライトは他車種と比べて高速充電タイプとなっており、走行中に十分な電力を蓄えることができる。ゆえに、エンジンを切ってもエアコンをつけたまま就寝できるのも魅力だった。

気になる総額は、オプション込みで約900万円。むむっ、となりつつ、「15年ローンあります!」という言葉に背中を押されて購入を決心した。
「15年ローンだと月額は5万円くらい。これまでレンを連れて旅行に出ると、宿泊代を含めて同額くらいは必要だったので、月に1〜2回出かければ元は取れると考えました。

それにペットと泊まれてアウトドアフィールドに近いホテルはあまりないし、質を求めると高くつき、こだわらないと匂いが残っていたりしました。そのあたりのストレスはキャンピングカーを手にすれば解消されますからね」というのは義人さんだ。

ダメなら手放せばいい。そう思い切れたのは、キャンピングカーには中古車市場があることが理由だ。
購入時には「6年乗って売りに出しても元は取れる」という言葉をもらった。それに鈴木夫妻が購入したモデルは最近6カ月待ちという人気ぶり。車両数は多くなく、それほど値崩れしないだろうという思いもあった。

キャンピングカーはメリットしかない

所有したことによるデメリットは思いつかない、と夫婦は口を揃える

駐車場は普通車と同じ。8ナンバー登録だから税金は普通車より安い。ディーゼルのためガソリンは軽油だ。そしてリッター10kmほどと燃費も悪くない。

美樹さんは「メリットばかりです」と言う。

「なかでもノープランで出発できるのは最大のメリット。というのも、これまでは旦那さんの仕事が忙し過ぎて、事前に予定を立てにくかったんです。今は、明日休みになったと言われれば、じゃあ今から出発しようと。夜が遅くなれば高速のサービスエリアで一泊し、朝から動いて海や山へ。時間をとても有効的に使えています」。
コロナ禍も、愛車で寝泊りしながら出かけることが多くなった。

「よく行くのは焚き火のできるRVパーク。最近行った場所だと、千葉にあるビーチサイドの『RVとみうらパーク』は良かったですね。

今年は群馬で野営キャンプもしましたし、今日の取材の前にも山梨のキャンプ場で3泊してきたんです。本当は一度帰宅しようと思ったのですが、直接来た方が早い状況になったので予定を変更、途中のサービスエリアで1泊しながら来ました」。

義人さんがいうように、状況に応じてスムーズに動きを変えられるのもキャンピングカーの魅力のようだ。

さらに、去年は北海道にも行った。茨城県の大洗港から北海道の苫小牧までフェリーで行き、千歳、帯広、網走、知床と道東をめぐる旅行に出た。もちろん、基本は車泊で、レンくんも大自然のなかで走り回った。

次なる目標は雪山めぐり。スタッドレスは既に購入済み。美樹さんはレンくんと一緒にスノーボードを楽しみたいと目を輝かせる。

購入して2年近くが経った現在、走行距離は1万2000km。今のペースで行けば、“手放すタイミング”の6年後には4万2000kmと、まだまだ十分に走れるコンディション。十分に元が取れそうだが、「乗れば乗るほど愛着が湧いていくんです」と美樹さん。

レンくんとの時間が染み込み、さながらマイホームのような存在になっているらしく、「売るつもりはなくなりました」という心境になるほど、良い時間を過ごせているようである。

Archives